運管試験対策

運行管理者試験の合格を目指す方へ

運行管理者試験【貨物】過去問ランダム演習:1035

問 下の荷主からの運送依頼に基づいて、A営業所の運行管理者がア~ウの運行に関する計画を立てた。この運行計画を立てた際の運行管理者の判断に関する1~3の記述のうち、【適切なものをすべて】選びしなさい。

〔 荷主からの運送依頼事項 〕

A地点から重量が5,250キログラムの荷をB 地点まで往路運送し、復路はC地点から重量が5,000キログラムの荷をD地点に運送する。

〔 運行の計画 〕

ア 乗車定員2名で最大積載量6,000キログラム、車両総重量10,950キログラムの中型貨物自動車を使用する。当該運行は、運転者1人乗務とする。

イ 当日の当該運転者の始業時刻は7時とし、乗務前点呼後7時30分に営業所を出庫して荷主先のA地点に向かう。荷積み後B地点に向かうが、途中、最高速度が指定されていない高速自動車国道(法令による最低速度を定めない本線車道に該当しないもの。以下同じ。)のE料金所からF料金所までの間(この間の距離は180キロメートル)を連続2時間30分運転し、途中に5分の休憩を挟み、B地点には12時までに到着する。荷下ろし後荷主先C地点の休憩施設に向かい、当該施設において1時間の休憩をとる。

ウ C地点にて荷積み後、荷主先を14時30分に出発してD地点に向かい、高速自動車国道のG料金所からH料金所までの間(この間の距離は210キロメートル)を連続3時間運転し、荷主先の地点に18時45分までに到着する。荷下ろし後、当社営業所に19時20分までに帰庫し、乗務後点呼を受け19時50分に終業する。

(詳細は次図を参照)

〔 当該運転者の勤務状況 〕

ア 前日の勤務は、7時から19時までの勤務であり、拘束時間が12時間であった。その間の運転時間は9時間15分であり、当日までの休息期間は12時間であった。

イ 翌日の勤務は、8時から20時までの勤務であり、拘束時間を12時間とし、その間の運転時間は9時間を予定している。

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1.E料金所からF料金所までの間の高速自動車国道の運転時間を2時間30分、及びG料金所からH料金所までの間の高速自動車国道の運転時間を3時間と制限速度を考慮してそれぞれ設定したこと。

2.当日を特定日とした場合の2日を平均した1日当たりの運転時間が、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)に違反していないと判断したこと。

3.当日の運行計画における連続運転時間の中断方法は、「改善基準」に違反していないと判断したこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解1,2

1.適切。本運行に使用する自動車のように「車両総重量が8トン以上又は最大積載量が5トン以上の貨物自動車」の場合、最高速度が指定されていない高速道路における最高速度は時速80kmとされている。

時速80kmで2時間30分走行した場合、80km/h×2.5時間=200kmの距離を走行することができるので、E料金所~F料金所間(距離180km)の運転時間を2時間30分と設定したことについては適切である。

また、時速80kmで3時間走行した場合、80km/h×3時間=240kmの距離を走行することができるので、G料金所~H料金所間(距離210km)の運転時間を3時間と設定したことについても適切である。

なお、本設問については、上記の解法の他に「運転時間」や「平均速度」から正誤判断することも可能だが、最も計算が簡単な「走行距離」から解答している。

2.適切。(運行当日を特定日とした場合の2日を平均した1日当たりの運転時間は、改善基準に違反していない)

運行前日の運転時間が9時間15分、当日の運転時間の合計が8時間55分であり、翌日の運転時間は9時間を予定しているので、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」は、(9時間15分+8時間55分)÷2で9時間を超えているが、「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」は、(8時間55分+9時間)÷2で9時間を超えていないため、改善基準に違反していない。

3.適切でない。(連続運転時間の中断方法は、改善基準に違反している)

往路の運転状況を見ると、高速道路走行後の休憩は10分未満(5分)であるため運転の中断時間として扱われないので、往路の運転状況は、〔運転10分⇒運転中断20分(荷積み)⇒運転3時間10分(一般道路40分+高速道路2時間30分)⇒運転45分…〕となり、「30分以上の運転中断」をする前に運転時間の合計が4時間を超えている(=4時間5分)。したがって、連続運転時間が4時間を超えているため、改善基準に違反している

また、復路についても、C地点出発後、連続運転4時間(一般道路30分+高速道路3時間+一般道路30分)の後に30分以上の運転中断をしていない

したがって、改善基準に違反している

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